
予防歯科・歯のクリーニング
予防歯科・歯のクリーニングとは

皆さんが歯医者に行くのはどのようなときでしょう?「虫歯ができたから…」「歯茎から出血があるから…」「歯並びが気になるから…」など、何か症状があるときに歯科クリニックを訪れる方がほとんどでしょう。
しかし歯科診療には「予防歯科」という考えがあり、虫歯や歯周病にならないために未然にケアを行います。予防歯科とは、お口の健康を維持することを目的として、虫歯や歯周病にならないようにするための定期的なケアを指します。
とくに、歯周病や虫歯は初期の段階では自覚症状がありません。「歯が痛む」「歯茎が腫れる・出血する」このような症状があるときにはすでに進行してしまっているのです。毎日の自宅でのケアをしっかりと行えば、通院する必要はないと考えてしまうかもしれませんが、セルフケアだけでは歯と歯の間や奥歯に磨き残しができてしまいやすく、どうしても虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。
定期的に歯科クリニックに通うことで、そうした磨き残しによってできた歯垢や歯石を除去し、ブラッシング指導やフッ素塗布を行って、健康な歯を維持していきましょう。
予防歯科と定期検診
(歯科検診)の違いは?
予防歯科は、虫歯や歯周病にならないためにする取り組みのことを指します。一方で定期健診(歯科検診)は、歯や歯茎に悪いところがないかを探して、早期発見と早期治療を目的としたものです。
歯科医院にある診療科は、歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科の4つのため、予防歯科は診療科には含まれません。あくまでも虫歯・歯周病予防のためのものです。口内の健康を維持するために、スケーリングやブラッシング指導、フッ素の塗布などを行います。
予防歯科を行うメリットとは?
虫歯や歯周病の予防ができる
予防歯科を受ける最大のメリットは、虫歯や歯周病を未然に防げることです。予防歯科では、日常のセルフケアでは落としきれない歯垢を、専用の器具で落とすことができます。歯垢や歯石は、虫歯や歯周病と大きく関係しています。
口腔内を綺麗にした後は、ブラッシング指導やフッ素塗布などで綺麗な口腔内を維持します。特に歯周病は、30歳以上の約8割がかかっていると言われています。予防歯科で徹底的に対策をしていきます。
将来的な医療費や心身の負担の軽減につながる
予防歯科で虫歯や歯周病のリスクを軽減させることで、将来的な医療費の負担を減らすことができます。重度の虫歯や歯周病になってしまった場合、長期的な通院や処置が必要です。症状によっては、抜歯をした後にインプラントや入れ歯といった処置をする可能性もあります。
そうなると医療費がかさむだけでなく、心身への負担もかかってしまいます。予防歯科を受けることで、経済面でも心身の面でも負担がかからずに済みます。
全身の健康改善につながる
口腔内を綺麗に保つことは、全身の健康を守ることにもつながります。例えば、歯周病菌が血流に侵入して全身に回ってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすだけでなく、糖尿病を悪化させる恐れもあります。
虫歯の場合は、発熱やめまいなどの症状が起きる可能性もあります。予防歯科で口腔内の健康を保つことは、重大な病気を防ぐことにつながります。
口腔ケアのモチベーションを維持できる
予防歯科でブラッシング指導やスケーリングを受けることで、常に口腔内が健康的な状態になります。そうなると、ケアをすることへのモチベーションも維持できるようになります。
通院時に歯科衛生士に指導を受け、改善点を洗い出して日々のケアに活かすことを繰り返すうちに、口腔内の健康度もどんどん上がっていきます。
当院で行う予防歯科・歯のクリーニング

予防歯科で通院する際に大切なのは、日々の歯磨きだけではケアできない部分の汚れや歯垢・歯石を定期的に取り除くことです。当院では患者様のお口の状態をしっかりとチェックして、適切な治療を進めてまいります。
ブラッシング指導
毎日丁寧に歯磨きをしているにも関わらず虫歯ができてしまう人は、その磨き方に問題があるのかもしれません。当院ではまずは患者様の歯の大きさや形・歯と歯の間隔・歯並びなどを確認した上で、患者様に合ったブラッシング方法を指導いたします。
歯垢を残さないために、歯ブラシの正しい持ち方や力の入れ方、角度なども丁寧にお伝えします。歯科衛生士が患者様の口内に歯ブラシを当て、実践いたします。
また、歯間の汚れを綺麗に落とすためには、歯ブラシに加えて補助アイテムが必要です。フロスや歯間ブラシの正しい使い方も指導いたしますので、ぜひご活用ください。
スケーリング(歯石除去)・研磨
超音波スケーラーなどを使用して普段のブラッシングだけでは取り切れない歯垢や歯石を除去していきます。スケーラーが入りきらない部分の汚れは、ジェット水流を使って汚れを洗い出します。
スケーリングとは、目に見える歯の表面部分(歯肉縁上歯石)についた歯石を除去することです。歯石は歯垢が硬くなったもので、自力で除去ができません。放置すると歯周病の原因になるため、歯科医院にて除去を行います。
PMTC
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略です。医師や歯科衛生士が専用の器具を使って、徹底的にクリーニングを行います。日々のブラッシングでは取りきれない汚れを綺麗にすることができます。
歯科医院専用のチップやブラシ、ペーストなどを用いて汚れを除去した後、歯を磨いて表面を整えます。PMTCを受けると歯垢が付着しづらくなり、虫歯や歯周病の防止につながります。
フッ素塗布
歯垢や歯石を取り除いたあとは、高濃度フッ素を塗布します。フッ素には歯を強化して質を高める作用があり、歯の再石灰化を促進します。これにより、虫歯を効果的に予防します。
定期的にフッ素塗布をすることで、虫歯のリスクを大幅に下げることができます。特に虫歯になりやすい人におすすめの処置です。
シーラント(小児)
永久歯が生えたばかりのお子様には、シーラントで虫歯を予防します。シーラントは、永久歯の溝をレジンで塞いで、歯の溝に虫歯ができないようにする治療法です。
生え変わったばかりの奥歯は溝が深く、乳歯に比べて汚れが溜まりやすいという特徴があります。そのため、まだ上手に歯磨きができないお子様の虫歯予防としてシーラントを取り入れる保護者の方が増えています。
自宅でできる虫歯と歯周病予防

歯科クリニックでスケーリングやフッ素塗布を行うことも大切ですが、虫歯や歯周病にならないために大切なのは、やはりご自宅で行う毎日のケアです。ここでは自宅で実践していただきたい虫歯・歯周病の予防法をご紹介します。
ブラッシング
虫歯や歯周病予防のためにまず行いたいのが正しい方法での歯磨きです。自己流の歯磨きや短時間でササっと済ませる歯磨きでは、磨き残しができやすいため注意しましょう。
また、歯磨き粉のつけすぎにも注意が必要です。歯磨き粉に含まれる研磨剤は泡立ちがよく、歯を磨いていると泡が口いっぱいに広がりよく磨けていると勘違いしがちです。歯磨き粉は口の中の爽快感や泡立ちよりも、フッ素の配合量に注目して選ぶようにしましょう。
糖分摂取のコントロール
虫歯予防のためには糖分の摂りすぎに注意しましょう。虫歯菌は糖分が大好物のため、甘いものを好んで食べる人は、そうでない人に比べて虫歯のリスクが高くなっています。
通常は、歯の成分を溶かす「脱灰(だっかい)」と唾液で酸が中和されて歯の成分が歯の表面に戻る「再石灰化」が繰り返し起こることで虫歯ができませんが、糖分を摂りすぎるとこのバランスが崩れて虫歯になってしまうのです。
甘いものを食べたあとは必ず歯磨きをしたり、間食の回数を減らすなどしてコントロールしましょう。
キシリトールの摂取
テレビやCMでもよく耳にする「キシリトール」。このキシリトールは糖と似た構造を持っていますが、糖アルコールであるため、甘味を感じるものの虫歯にはならない成分として注目されています。
虫歯菌がこの糖アルコールをエサにすると、酸を作る過程で死滅していくことが分かっています。さらにキシリトールガムのように咀嚼して唾液が増えると歯の再石灰化が促進されるため、虫歯予防には有効な成分であると言えるでしょう。
歯磨きと糖分コントロールとあわせて、キシリトールも摂取してみましょう。
当院で取り扱うエアフローについて

当院では「エアフロー」を導入し、歯の表面のお掃除を行っています。エアフローは次のような方におすすめです。
- たばこやコーヒーなどの着色汚れが気になる方
- 口臭が気になる方
- 矯正治療中の方
- 歯の健康を維持したい方
エアフローは、専用の粉末を歯の表面に吹きかけて汚れを落とすため、歯や歯肉への負担をかけることなく歯の汚れをきれいにすることが可能です。例えば歯周ポケットに入り込んだ歯垢を書き出したり、従来の器具では届かなかった部位の汚れを取り除くこともできます。
当院ではこのような機器を使用しながら患者様の歯の健康をお守りしていきます。
リスクと副作用
処置後に知覚過敏の症状が出ることがある
歯石を除去した後につめたいものを食べると、知覚過敏の症状が出ることがあります。これは、歯石除去後に歯茎の炎症が治まって引き締まり、歯根が露出することで起こるものです。通常はしばらくしたら治まります。あまりに長く続く場合は、医師までご相談ください。
時間と費用がかかる
予防歯科を受けるためには、どうしても通院にかかる時間と費用が必要です。症状がないのに定期的に通院することに抵抗を感じる方や、仕事や家事育児でなかなか時間が取れないという方にとっては、デメリットと感じるかもしれません。
ただ、予防歯科で虫歯や歯周病を未然に防ぐことで、将来的な治療期間や治療費を抑えることができます。
よくある質問
予防歯科は保険適用で受けられるの?
元々は自由診療でしたが、2020年4月の診療報酬改定から条件つきで保険適用となりました。虫歯や歯周病の重症化を防ぐために行う処置は、保険適用になります。スケーリングや歯周ポケット内の歯石除去などももちろん含まれます。
予防歯科にかかる費用はどのくらい?
保険適用で、診察〜歯石除去〜フッ素塗布まで含めて、約3,000円が相場価格です。
予防歯科を受ける頻度はどのくらい?
予防歯科は、3ヵ月に一度のペースで受けるのがおすすめです。
PMTCは痛い?
基本的にPMTCは痛くありません。歯のクリーニングなので、痛みよりもむしろ心地よさを感じる方が多い処置です。器具が歯や歯茎にあたる不快感もありません。
ただ、知覚過敏を発症している方は、処置中のわずかな刺激でもしみたり痛みが出る可能性があります。事前に医師までご相談ください。
歯磨き後のうがいは少ない方がいい?
歯磨き粉をつけてブラッシングをした後は、少量の水で1回うがいをする程度で十分です。市販の歯磨き粉にはフッ素が含まれているものも多く、虫歯予防に大きな役割を果たしてくれます。何度もうがいをするとフッ素が流れ落ちてしまうため、あまり多くうがいをするのはNGです。
予防歯科はセルフケアで行えないの?
セルフケアのみだと、どうしても取りきれなかった歯垢が残り、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。歯科医院で正しいケア方法やスケーリングを受けて、口腔内の環境を整えることをおすすめします。
生活習慣で改善すべきことは?
予防歯科の一環として、生活習慣指導も行っています。特にタバコ・睡眠・食生活においては、日頃から気をつけていただきたいポイントです。
中でも、タバコを吸うと歯垢がつきやすくなり、歯周病のリスクを高めてしまいます。歯茎を作る重要な要素であるコラーゲンも生成しづらくなり、歯茎の老化につながります。口腔内の健康を守るためにも、この機会に禁煙することを強くおすすめします。

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