
ナイトガード
ナイトガード

朝起きると顎が痛いときは睡眠中の歯ぎしりが原因かもしれません。睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、これまでのクセやストレス、飲酒などが関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。こうした非機能的な歯と歯の接触を医学的に「ブラキシズム」と呼びます。
睡眠中の歯の食いしばりは、経年的に歯や顎に影響を及ぼすことが分かっており、歯周病や知覚過敏、顎関節症などの問題を引き起こす可能性があります。
こうした歯ぎしりの問題を解決するのが「ナイトガード」を使用した治療です。ナイトガードは、上顎に装着するマウスピースで薄い形状をしているのが特徴です。歯と歯が直接触れることがなくなるため、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによる顎の負担を軽減します。
顎の筋肉が一番リラックスした状態になるのは、口が少しだけ開いた状態です。そのためナイトガードを装着して、顎まわりの筋肉を物理的に休ませることで、顎の関節に過度な負荷がかかることを予防することが可能です。
当院では、睡眠中の顎のダメージをより軽減できるように、上下の歯型と噛み合わせの型取りを行い、患者様おひとりお一人にあったマウスピースを作成いたします。
通常、スポーツなどで使用するマウスピースは自費診療での作成になりますが、歯ぎしりや食いしばりなどで歯や顎に影響を与えていると判断できれば、医師の診察の元、保険診療でマウスピースを作成することができます。詳しくは診察時にもご説明いたします。
歯ぎしりの種類

歯ぎしりには大きく「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」の3つの種類があります。
- グラインディング:ギリギリと上下の歯を横方向に擦り合わる歯ぎしり
- クレンチング:上下方向に歯をぎゅーっと強くかみしめる歯ぎしり
- タッピング:上下方向に歯をカチカチと音を鳴らしながら噛み合わせる歯ぎしり
いずれの場合も、歯がすり減ったり歯や顎に負担がかかる行為です。クレンチングでは、顎関節症や肩こり、首のコリなどの原因になる場合もあります。
歯ぎしりの原因

こうした歯ぎしりの主な原因は次のことが考えられます。
- ストレス
- 飲酒・喫煙
- 噛み合わせの乱れ
など
歯ぎしりの原因として、第一に挙げられるのがストレスです。人は、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをすることで、疲れや不満といったストレスを解消しようとするのです。酒やタバコに含まれるアルコール・ニコチンが、歯ぎしりや食いしばりを悪化させるとも言われています。
また、噛み合わせの乱れが原因で、正しい位置で上下の歯が接触せず、無意識のうちに歯ぎしりをしてしまう方も多くいらっしゃいます。噛み合わせが乱れると歯や顎に負担がかかってしまい、顎関節症を引き起こす可能性もあります。
歯ぎしりを放置するとどうなる?

子どもの頃の歯ぎしりが習慣化して大人になってしまうとどのようなことが起こるのでしょうか?
歯がすり減ってしまう
寝ているときは無防備で無意識な状態にあるため、力の加減ができません。そのため、歯と歯が触れ合うと力任せに歯が削れ、歯の表面のエナメル質がすり減ってしまいます。
エナメル質が薄くなると虫歯や知覚過敏のリスクが高まります。
歯が折れる・かぶせ物が壊れる
睡眠中の歯ぎしりが続くと、歯の詰め物や被せ物が割れてしまったり取れてしまったりすることがあります。一定期間歯に圧力がかかっていたためです。
また、歯の神経を抜いている歯は神経が通っている歯に比べて強度が弱くなるため、強い力を受け続けると歯が折れてしまうことがあります。神経がなく折れてしまった歯は抜歯が必要です。
歯周病の悪化
お口の中に歯周病があり、症状が進行していると歯が揺さぶられて歯が移動したりグラグラしてしまったりします。このような場合、歯が抜けやすくなるため早急に歯周病の治療とナイトガードでの歯ぎしりの治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群や顎関節症との関連
睡眠時無呼吸症候群は、歯ぎしりが影響していると言われています。歯ぎしりが慢性化している場合は、一度相談されることをおすすめします。また、歯ぎしりは顎関節症を引き起こすことも分かっており、呼吸や顎にも大きく影響を及ぼします。
ナイトガードの効果

ナイトガードは個人差があるものの、次のような効果が期待できます。
歯の負荷を軽減できる
睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、無意識によるもののため自分では制御することができません。睡眠中の歯ぎしりでかかる負荷は、体重の約2倍から5倍とも言われており、体重が50kgの人であれば100~250kgの力がかかっているのです。
これほどに大きな力が歯にかかっているのであれば、歯や顎に影響が出るのもうなずけるでしょう。
ナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる歯や顎への負担が軽減できれば、歯のすり減りを予防することができます。
かみ合わせを調整できる
歯科クリニックで作成するナイトガードは、歯型とかみ合わせを確認して作るフルオーダーメイドなので、よりフィット感のある仕上がりです。
これまで噛み合わせがずれていたという人にとっては、矯正する機会にもなり噛み合わせが整うことでフェイスラインにも変化が出ます。ナイトガードでかみ合わせのずれを修正しながら、正しい位置で噛めるように練習していきましょう。
症状を自覚するための判断材料になる
睡眠時ということもあり、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしている方も多くいらっしゃいます。歯科医師が診察をすれば一目瞭然ではあるのですが、歯ぎしりや食いしばりを改善するには、まず患者様に自覚していただくことが大切です。
この判断材料として、使われるのがナイトガードです。睡眠時に歯ぎしりや食いしばりをしている場合、ナイトガードに傷や削れが発生します。どのくらいの損傷があったか否かで、今後の治療方針を決めることも可能です。
顎の筋肉をリラックスさせることができる
顎の筋肉が一番緊張しているのが上下の歯が噛み合った状態で、一番リラックスしているのが口が少し開いた状態です。つまり、歯ぎしりや食いしばりをすると、顎周りの筋肉がずっと緊張状態になってしまい、かなりの負荷がかかってしまいます。
ナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりを防ぐだけでなく、就寝時に顎周りの筋肉を休ませることができます。
ナイトガードのデメリット・リスク
最初は違和感を感じることがある
ナイトガードを導入したての頃は、違和感を感じる可能性があります。噛み合わせが正しい位置に変わるため、顎の関節に痛みやだるさが出る方もいらっしゃいます。また、ナイトガードによって少しだけ口が開いた状態になるので、口の乾きが気になることもあります。
ただ、これらの違和感は、通常1〜2週間程度で収まることが大半です。違和感があまりにも大きかったり、長期間続いたりする場合は、一度当院までご相談ください。マウスピースの調整を行います。
適切なケアをしないと、雑菌が繁殖する恐れがある
ナイトガードは毎日使用するものなので、適切に扱わないと雑菌が繁殖してしまいます。ナイトガードはプラスチックでできているため、高温の場所で保管したり、熱湯で除菌しようとすると、変形することもあります。
錠剤や泡タイプの洗浄剤が販売されていますので、このような専用のアイテムを使ってやさしくケアしてあげてください。
ナイトガードが完成するまでの流れ
STEP1 カウンセリング・診察
口腔内を診察し、患者様一人ひとりに合ったナイトガードの提案を行います。この際、歯ぎしりや食いしばりに関するお悩みなども、合わせてお伺いいたします。また、虫歯や歯周病などの治療が必要であれば、製作前に治療を完了させます。
STEP2 型取り
患者様に合ったナイトガードを製作するために、歯型取りを行います。
STEP3 ナイトガードを製作
型取りを元に、歯科技工士がナイトガードを製作いたします。
STEP4 ナイトガードの装着・微調整
完成したナイトガードを装着していただき、噛み合わせに問題が無いかの確認を行います。問題が無ければそのままお渡し、微調整が必要であれば完了次第のお渡しとなります。型取りから完成までの目安は、約1週間です。
よくある質問
ナイトガードの正しいつけ方は?
まずは手とナイトガードを洗い、双方清潔な状態にします。装着する際は、鏡を見ながら歯に添うように手でやさしく扱います。歯を噛み合わせてフィットさせると、ナイトガードに傷がついてしまうため要注意です。歯に密着しない場合は、医師に相談して調整を行ってください。
ナイトガードのお手入れ方法は?
ナイトガードについた汚れを除去する際は、やわらかい歯ブラシでやさしく磨いてください。ただ、研磨剤が配合された歯磨き粉は、傷や削れの原因となるため使用をお控えください。研磨剤不使用の歯磨き粉や、台所用の中性洗剤の使用はOKです。
その他、錠剤や泡タイプなどの専用アイテムでケアするのもおすすめです。洗浄剤の使用頻度は、週1〜2回程度が目安です。ナイトガードはプラスチックでできているため、煮沸消毒をしたり、高温の場所に保管しておいたりすると、変形することがあります。ご注意ください。
ナイトガードをしたまま飲食しても良いの?
NGです。ナイトガードをつけたまま飲食をしてしまうと、食べものが付着し不衛生です。装着した状態で摂取して良いものは水のみです。特にコーヒーや紅茶は着色、甘いジュースは虫歯、熱い飲みものは変形の原因となるため、注意が必要です。
ナイトガードを清潔に保つためにも、食事の際は外すこと、歯磨きをして口腔内を綺麗にした状態で装着することを徹底してください。
ナイトガードは夜だけ使うものなの?
日中の活動時に使用することも可能です。特に仕事や勉強、スポーツをしているときに無意識に歯を食いしばりがちな方は、日中も使用することをおすすめします。
ナイトガードを使うことで虫歯になりやすくなるって本当?
ナイトガードの使用自体が、直接虫歯の原因になることはありません。ただ、歯磨きやデンタルフロスを使用せずにそのまま装着したり、汚れがついた状態で使い続けると、ナイトガードに残った汚れが原因で虫歯になることがあります。
また、ナイトガードの破損を放置していると、割れた部分から食べカスなどが入り込んでしまい、こちらも虫歯の原因となります。口腔内を常に清潔にすることと、破損を放置せずに定期的にメンテナンスを受けることが重要です。
スポーツマウスピースとは?
保険適用外となってしまいますが、スポーツをする方のために「スポーツマウスピース」も製作しております。スポーツ中にマウスピースを装着することで、口腔内のケガを防止することができます。
また、スポーツ中の食いしばりが癖となり、日常的に歯に負荷がかかっている方も多くいらっしゃいます。スポーツマウスピースを装着することで、そのような癖を防ぐことも可能です。

アクセス・診療時間

〒277-0837 千葉県柏市大山台2-3-1
モラージュ柏2階 213
- 診療時間
- 10:00~13:30/15:00~19:30
(土曜は19:00まで) - 休診日
- 木曜・日曜・祝日
※日曜矯正不定期あり(10:00~14:00/15:00~19:00) - TEL
- 04-7137-6001
ご相談・ご予約はお気軽にご連絡下さい。